力が抜けてふにゃふにゃしてるのは体だけじゃなくて、なんていうか、そっちもだった。おめーコラふにゃチン、なんてかわいくないことを土方が言ってる。俺の股間に向けて。おい、そっちは銀さんじゃねーっての。確かにおめーの愛して止まない銀さんの銀さんですけど、でも本体はこっちですから。そう思って両手でそのちっちぇー顔をつかんだら、髪を乱されるのにも構わず、赤くした顔でふわっと土方が笑った。ごく楽しそうな顔で、なんか見てるこっちが幸せになっちまいそうな。
酔っぱらっただけかもしれねーしそうじゃないかもしれないけど、珍しく土方はすごく機嫌がよさそうで、っていうかなんかぽやっとしてて、すげえかわいかった。キスするために体を丸めると、それに協力して伸び上がってくれる。素直に首のうしろに絡んできた腕が俺の髪をいじって、その先、と促すみたいにうなじをなぞる。えろい指だ。ていうかもう全身?

玄関の敷居に躓いて転んで、手をつないで引っ張ってた土方も俺にぶつかって転んで、なんかその場でこんなことになってる。何があったのかしんねーけど今日の土方はすけべスイッチがオンになってるって感じで、俺としたい、みたいなオーラが飲んでる時からずっと出てて、なんかもうすげーたまんなかった。おんなっぽかったとかそういうんじゃないけど、ああでも、これが俺のなんだな、なんて思ったら、もうたまんなかった。俺がこうさせてんだぞ、みんな見ろ、でも見んなこんな土方見ていいのは俺だけだっていう矛盾が酔ってくちゃくちゃになった俺の頭の中をぐるぐる、ぐるぐる回ってる。
「ひじかた」
したい、と喉でささやかれて、俺は一も二もなく肯いた。甘ったるい目をして土方は笑い、俺の前を手早くはだけた。ふにゃチンとさっきののしった、俺のを喉の奥で擦って一度いかせてから、性懲りもなく立ち上がったそこにまたがって、とろとろに柔らかくなったそこに少しずつ、それをはめる。土方の白くて張り詰めた体に黒い着流しが汗で張り付いて、とんでもなくやらしい。ついでにしぬほど気持ちいい。畜生、腹上死さいこう。いや死なねーけど、まだ!
「あっ、あ、あ、」
よろずや、と土方が最後に小さくくちびるを噛んで泣くのを見ながら、俺は腰を使って、土方の小さな尻の中に全部吐きだした。しぬほど気持ちよかった、ととろけた声で言ったら、小さく小さく「おれも」と返ってきて、なんだかまたしぬんじゃないかと思った。


20130328